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COLUMN

良い環境という生活空間を創り出すことにある。

2016-05-26

Dot住宅の目的

僕がまだドイツ製の暖房機器メーカーにいた頃、当時上司に「暖房機器を売るのではなく、ドイツの文化を翻訳して売るのが我々の仕事だ」
と何度も聞かされました。当時はピンと来ない話に聞こえたのですが、今は少し違います。
今回はそんな話。
そもそも文化って何だろう?
文化とは、「人間の知的洗練や精神的進歩とその成果,特に芸術や文学の産物を意味する場合もあるが,
今日ではより広く,ある社会の成員が共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式をさすことが多い。」
(ブリタニカ国際大百科事典)
では行動様式は?
「個人や集団の行動の仕方のうち,その行動の仕方が固定され反復されるもの。つまり「行動、思考、感得の様式」  のこと。
なお複数の行動様式が個人や集団の全生活で統一性をもつ場合、生活様式という。」
(ブリタニカ国際大百科事典)
ということは「文化」とは「ある社会での固定され、反復される行動の仕方やその集まりが統一性を持ったもの。」となりましょうか。
ではその「文化」を「翻訳」するとは?僕が考えるに
ドイツでの暖房文化(住宅そのものをまずしっかりと断熱することから始まるとみんなが考え、行動する行動様式、常識といっても良いかもしれません)を
日本の暖房文化(暖房といえばこたつやエアコンでしょう、とみんなが考える日本の行動様式、常識)の中に、わかりやすく表現し、持ち込み、時として新しい考え方として知ってもらうこと、だったかなと思うのです。
今、Dotプロジェクトにおいても同じことを考えます。
DotプロジェクトはQ値1W/㎡Kを切る住宅の普及を通じて、より多くの人々に快適な暮らしを手に入れてもらうことを目的としています。
「Q値1W/㎡kを切る」というところを「文化」だと考えてわかりやすく翻訳し、お伝えする必要がある訳で、そう考えると昔の上司の話に感謝(笑)という訳です。
そして「Q値1W/㎡Kを切る」というのは断熱強化を含めた設計技術や計算、設備によって成し遂げられるものであって、それが直接的な目的とは違います。
環境工学の権威、北海道大学の荒谷先生はこう言っています。
「本来、設備とはある目的のために備えられた手段であって、その本来の目的とは設備が立派であることではなく、
良い環境という生活空間を創り出すことにある。」
「現在の環境工学は条件が与えられたのちの設計技術・計算方法に関しては極めて高い水準にあると思うが、
いかに設計技術が優れていても、条件そのものをどう決めるべきかに関わる価値観、あるいは思想がなければ
設計は成立しない。そして、専門外に訴えるに当たって求められるのは、専門的な理論や計算方法ではなく、考え方や見方なのである。」
目的を間違わず、考え方や見方をしっかり持って進みたいものです。

2016.5.23
紺野透

COLUMN

2016-05-26

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