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DotプロジェクトのQ値1.0以下の有効性

2016-05-17

DotプロジェクトのQ値1.0以下の有効性

DotプロジェクトではQ値1.0以下の住宅をDot認定住宅として認定プレートを発行しています。このQ値1.0以下という基準が他の基準と比較してどのくらい省エネなのかについて、色々比較してみたいと思います。

平成27年4月から改正省エネ法が完全施行されました

改正省エネ基準は以下の通りです。

改正前の省エネ基準

改正省エネ基準と比較するとDot基準のQ値1.0以下は、かなり高い目標である事が分かると思います。

改正省エネ法では2020年の完全義務化が始まると、性能の目標値であるUa値と一次エネルギー消費量の2つを満たしていない住宅は建てる事が出来なくなります。

これは、家を建てようとする一般の方や建てるハウスビルダーや大工さんにとっても大きな意味があると思います。

しかし、気を付けなければならないのは、目標値がクリアしていれば省エネ・低燃費で暮らせるとは限らないという事です。

仮に目標値ギリギリ住宅を建てるという事は、『建設する事が許されるギリギリの性能』であり、あと少しでも窓を大きくしてしまえば、『建ててはいけない性能』になってしまうので、目標値を目安にする事は、着工前はいつも合否の綱渡りをしている状態であると言えます。

では性能によってどのくらい燃費が違うか灯油のFFヒーターで全室暖房をした場合で比較してみます。

住宅性能と年間暖房用灯油消費量灯油単価変動

盛岡市は区分3地区ですので、UA値0.56以下(Q値1.9)レベルですが、年間暖房消費量は1358ℓ 北海道などの基準であるUA値0.46で1083ℓと20%少なくなる程度です。

灯油価格によって大きく影響を受けるという事がわかります。

Q値0.99の場合533ℓと60%も削減する事が可能です。

灯油価格によっても燃費は大きく変動する事が分かりますが、燃費の良いQ値0.99の場合、価格変動の影響が少ない事がわかります。

また、10年間で比較した場合(2016年単価でUA値056とDot基準を比較)、82,989円-32,572円=50,417円×10年=504,170円となり、住宅性能向上に必要な予算が、かなり補てんできます。

 

Q値を向上させる目標として、Q値1.2~1.3程度でも良いのでは?という声も聞かれます。

その点について検証してみましょう。

断熱材・サッシ・換気システムによって住宅の暖房負荷が変わりますのでいくつか例上げてみます。

  • Q値9 充填断熱・樹脂ペアガラス・3種換気
  • Q値6 充填断熱・樹脂ペアガラスLow-Eアルゴン・3種換気
  • Q値3 充填断熱+付加断熱・樹脂トリプルガラスLow-Eアルゴン・・3種換気
  • Q値25 充填断熱+付加断熱・金属樹脂ペアガラスLow-Eアルゴン・第一種熱交換換気
  • Q値99 充填断熱+付加断熱・樹脂トリプルガラスLow-Eアルゴン・第一種熱交換換気
図2-1

④Q値1.25金属樹脂ペアガラスLow-Eアルゴンの場合

図2-2

⑤Q値0.99の場合

 

図2 上④Q値1.25金属樹脂ペアガラスLow-Eアルゴンの場合 下⑤Q値0.99の場合

  • ②③⑤の組み合わせは結露しにくい組み合わせですが、④はサッシ性能が著しく低く、結露が発生する危険性があります。

各種開口部の

このように、目標数値をQ値1.0以下というように高い設定にする事で、間違った組み合わせを防止する事が出来きます。

 

また、住宅を20年住むと仮定した場合、光熱費を考慮すると、Q値1.2からQ値1.0以下にする予算は十分元が取れるので、計画段階からDot基準を満たす設計手法を取り入れる事がイニシャル・ランニングコスト的に優れていると言えます。

住宅性能とライフサイクル

Q値1.0以下の場合、暖房機器の出力も低減されるので、パネルヒーターなどの放熱器は一回り出力の小さいもので良くなるので、イニシャルコストが安価になります。

暖房負荷と温度差

その反面、家庭用のエアコンは一番小さなものでも2000W以上の暖房能力があるので、分散配置にした時のメリットは小さいと言えます。

Dot基準を満たす設計を行う際に注意すべき点は、設計図面に断熱仕様や断熱がどこに施工されるがかわかる「矩計図」を必ず作る事です。

断熱材の厚みやサッシの仕様などが曖昧に書かれて、断熱が効きにくい部位に書かれていると、現場で施工する大工さんがそのまま施工してしまいます。

また、設計や計算は机上の事なので、現場での施工が重要です。

断熱施工を行っても、隙間があると隙間には断熱性能がないため部分的に冷えてしまい、結露を引き起こします。

事前にDotプロジェクト主催の断熱施工講習会を受けるなどして、現場の施工精度を高め、気密測定で実際の性能数値を確認する事が成功の秘訣です。

(横山直紀)

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2016-05-17

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